■■ 人の声は素晴らしい楽器と言う話 ■■

歌バカじいちゃん

2017年02月24日 22:27





 まず始めに人間の声について話してみましょう、私の教室に始めて来られた方が最初に言われる言葉が「私は、声が悪いから」、「私はオンチだから」とほとんどの方が言われます。

そこで、この二つの悩みや疑問に始めに答えを出して、自信を持っていただきたいと思います。

結論から先に言います。

◆真性のオンチは殆どいません、リズムオンチも音程オンチも殆ど の方が治ります。
◆声が悪いからとお悩みの貴方、その声は貴方の「個性」なのです、 歌は声の善し悪しで唄うものでは有りません「こころ」で唄うものです。

 さて、ひとが生まれて始めて声を出すとき、これを産声と言います、この産声の音程[たかさ]はどの赤ちゃんも殆ど変わらないと言われます、それは赤ちゃんが生まれてこの世で始めてする呼吸によって声帯が鳴る音で、生きる証であることは皆さんご存知です、この産声の高さが殆ど同じたかさだと言われます、それはは、赤ちゃんの声帯の長さがどの赤ちゃんも生まれてすぐには殆ど変わらず、声帯を支える筋肉が未発達のためだと言われます
 赤ちゃんの声帯の長さは約6ミリだそうですが、成長して大人になっても8ミリから9ミリと言います、人はそんな小さな声帯を震わせて声を出し言葉を話しているわけです。

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赤ちゃんの産声の高さはドレミで言うとハ長調の“ラ“の高さ近いそうです、イロハやABCで表記するとイロハノのイ、ABCのAとなります、不思議ですネ。
ちなみに ”ラ”の音は440ヘルツでピアノの鍵盤で、低いほうから4番目の”ラ”、A4になりますがこれは世界基準になっています。************************************************************

声帯はちょうど喉仏の奥に有り、気道の上の部分にあります。

 そして、気道の奥に食道があり、気道の上部に気道蓋と呼ばれる蓋が有ります、これは気道に飲食物や唾など飲み込むときに気道から気管支や肺に異物が入らないように自律神経が働き呼吸のときや声を出している時以外は閉じるようになっています。

 声帯の構造はちょっと乱暴なたとえですが、判りやすく言うと竹の筒を思い浮かべてください、竹筒の空間を仕切る節の部分が声帯です、そして節の中央にたてに切れ目があり左右一対のやわらかい襞の弁があります、この左右一対の弁の間に息を通して弁を振動させて音を作り出しています、また、この弁を支える周りの筋肉がありこの筋肉を緊張させたり弛緩させたりして音の高さを変えています。

 声帯の音を作り出す原理はトランペットやトロンボーンなどの金管楽器と同じなのです、トランペットはふき口(マウスピース)に唇を当てて息を通して唇の振動で音を作り出します、トランペットのふき口をはずして吹いてみるとまるでオナラのようなビーと言う音がします、そんな殺伐な音がトランペットの管の中を通すことによってあの煌びやかで伸びやかなあんなに大きなトランペットの音となって出てきます。

それは、ふき口で作り出された殺伐な音が管の中を通るとき反響し、共鳴し音に丸みをつけ増幅してあの素晴らしい音となって生まれてきます。

 人間の声も同じなのです、声帯で生まれた音は咽喉、口腔、そして鼻腔を通り口外に出るまでにトランペットと同じことをして声を作り出しています。

 そうです、貴方自身が、貴方の個性有る素晴らしい声と、「ことば」という「こころ」を伝える素晴らしい道具を持った楽器なのです、そしてそれを演奏しうる名演奏家なのです。

 人の声も十人十色と同じ声質の人はいません、それは主に人それぞれに骨格が違い口内の形状や肉づきなど複雑な要因からくるものです、親兄弟の声が似てくるのも遺伝と言ってしまえば簡単ですが骨格などの構造的なものが大きく影響していますから似てくるもので、声の質を変えることは難しいことです。

 親から頂いた声ですもの、世の中でたった一つしかない貴方の声を大切にして自信を持って唄いましょうよ。

歌は唄うための声の良し悪しではありません、唄う歌の詩を心を込めて伝えることが大切ですよね。

 ここで皆さんに注意していただきたいことがあります、それは、間違った発声法でむやみに声を出していては声帯をつぶしてしまうと言うことです、私の周りにもそのような方が沢山おられますが、きちんとした発声法を指導できる方はそう沢山いるとは思えません、発声法はきちんとしたボイストレーナーに指導を受けることをお勧めします。